キーワード
聴覚心理学、聴覚末梢の計算モデル、模擬難聴、音楽知覚認知、演奏分析、演奏家の多様性
心理物理学的手法を中心にさまざまな心理実験パラダイムを用いて、聴覚の知覚に関連する問題に取り組みます。 聴覚の初期過程の計算モデル化から音楽知覚認知に関する探索的研究まで、低次・高次の両方から聴覚の研究をカバーします。
聴覚初期過程の計算モデル化
音の知覚における聴覚末梢の機能を、計算モデルを通して明らかにします。周波数成分、波形の周期、ダイナミックレンジ等の音響信号の特徴が聴覚によってどのように知覚されているかを測定し、結果を計算モデルに反映させます。この計算モデルで予測される知覚現象を、次の知覚実験で検証します。
模擬難聴とその応用
聴覚の計算モデルを応用することで、聴覚機能の各ステップの劣化による信号の変化を音として出力、「難聴者として聴く」ことが可能になりつつあります。この模擬難聴システムを、言語聴覚士の教育や一般への情報提供に利用することを目指します。模擬難聴システムを使って音の評価をすることで、だれにでも聴きやすい明瞭な音声を合成するための手がかりを探します。
音楽のトレーニングによる知覚認知の変化
長い期間厳しい訓練を受けた音楽家を対象とすることで、音楽演奏の経験がヒトの視聴覚情報処理をどのように変えるかということを調べています。また、科学研究でひとまとめにされがちな「演奏家」の中の多様性も調査しています。