キーワード
ケモインフォマティクス、計算科学、高性能計算、量子化学計算、機能性材料、創薬
材料・創薬のためのデータサイエンス
化学と情報科学の境界領域である「ケモインフォマティクス」では、薬の効き目を実際に投与せずに正確に予測し、材料が有する機能を合成する前に正確に予測することが主要なテーマとなっています。これらを実現する技術は、コンピュータ主導による効率的な新薬および機能性材料の開発につながります。当研究室では、分子が示す様々な性質を高精度に予測する機械学習モデルの開発、新しい分子特徴量や機械学習のための記述子の提案、データセットおよびデータベースの構築など、分子に関するデータサイエンス研究を行います。さらにアルゴリズムに基づいた分子構造の生成と探索により、これまでに報告されていない新奇な性質を示す分子を設計することを目指します。
量子化学計算のアルゴリズム・近似手法の開発
量子化学計算は、量子力学の基礎方程式であるシュレーディンガー方程式やディラック方程式を数値的に解く計算です。この計算により分子の性質を予測・説明することができ、化学、材料科学、生命科学などの研究開発におけるツールとして用いられています。実際に数値計算を行うには高性能な計算機を使用して、近似的に解を求めることになります。近似の精度を落とすと現実と異なる結果を与えてしまい、近似の精度を高めようとすると今日のスーパーコンピュータでも処理できない計算量となってしまいます。量子化学計算の精度向上、計算時間短縮、適用範囲拡大のために、新しいアルゴリズムや近似手法の開発に取り組むことで、薬や材料の研究開発の促進が期待されます。
分子が示す光物性のメカニズム解明
分子は電磁波を吸収および発する性質があり、どの波長で吸収・発光するかは分子ごとに異なります。光吸収や発光は、色素、顔料、有機EL、太陽電池などの材料で利用されています。光吸収とその後に起こる過程は非常に短い時間で起こり、実験的な方法で詳細な機構を解明するのは容易ではありません。量子化学計算などの計算科学の手法は、分子レベルのスケールで短い時間の現象を解析するのに適しています。本テーマではクラスタシステムやスーパーコンピュータを使用した大規模数値計算を行い、光が関与する現象のメカニズムを解明することで、材料開発のために有用な知見を得ることを目指します。

